カラオケの理論と実践
この講義はカラオケはよく知っていてもやったことがない人、人の前で歌ったことが無い人など、人との付き合いでカラオケというと逃げ腰になったりしてこうした必要に迫られてカラオケをちょっとはやってみなければと思う人に理解していただきたい内容になっています。 カラオケで大会など挑戦する人にとっては不足な内容かもしれません。
●カラオケの入り口●
カラオケの歴史
カラオケが市場に出始めたのは最初は8トラックというエンドレスのカートリッジテープを使ったものが出始めて、歌詞カードが付いていました。
巷ではカラオケよりもギターの流しが呑み屋を廻っていた時代でしたので、歌詞カードを見ながら歌を歌っていたものです。
しかし、時代は進歩してレーザカラオケが出現してきました。 このレーザディスクには音楽と一緒に画像も入っていてしかも歌詞が表示するというものになってきました。 今でもこのレーザカラオケは音が生楽器の演奏を録音したものであることと、出演者が本人であることがメリットです。 歌詞は一行単位で表示するだけで、今のような色が変わって歌う場所が表示されるのではありませんでした。
いよいよカラオケボックスの登場の時代になると、まさに世の中「カラオケブーム」へなってきました。 カラオケを歌うのは単に人との社交という要素へと広がってきたのです。 カラオケボックスができると同時にレーザカラオケから曲数の飛躍的な多さが必要になってきて「通信カラオケ」の時代に入ってきたのです。
この通信カラオケは電話で歌詞と楽譜、ちょっとした音声に画像の一部の配信をすることでカラオケの機械が曲の場面に適した画像を選び、楽譜の音を内臓された高性能なシンセサイザで音を発生してあたかも生楽器の録音に近い状態を作り出すことができるものです。 歌詞は歌う部分が色が変化するようになって、とりあえず歌を知らなくてもなんとなくわかるようになってきました。
歌を知るきっかけ
カラオケが出てからは新曲を知るのに昔はラジオやテレビで流れてからレコードを買うパターンがいつしかカラオケのお店などで新曲を知って誰かが歌っているのを聞いて知るようになってきました。 レコードを買うということはカラオケ大会に出場するために買うみたいなものになってきました。
歌詞については、昔は歌を聞き慣れてくると自然に口ずさむようになっていたのが、カラオケのテレビに歌詞が出るようになってからは覚えるのをほとんどしなくなってしまっています。
さらに悪いことには、歌手が歌うのを聞く前にお店で誰かが歌っているのを聞いてしまうことです。 これは歌手がその曲をどう歌うのかなどどうでもいいかもしれません。 もし、間違って歌っていても間違ったまま覚えてしまうということがよくある話になってきています。
カラオケの機械を使って歌うというのはほとんどテレビの画面の歌詞の色の変わるところに目が釘付けになっていて他を見る余裕などほとんどない姿が多くなってきました。 これなどは曲がどう演奏されていても歌詞の色の変化を追いかけているだけでズレがあってもおかまいなし。 こういう状態を「カラオケの機械に歌わされている状態」と私たちは言っています。 「あなたはカラオケの機械の一部になってしまっていませんか?」
カラオケを習おう
カラオケを歌えないと人との付き合いがしにくい。 そんな世間になってきているのも事実です。 まさに社交のひとつの地位が築かれてしまってきているのです。
会社での付き合い、近所での集会、旅行には付き物。 カラオケが無いというのが不思議なぐらい溢れてしまっています。
そこで慌ててカラオケを勉強して少しでも人の前で歌えればと思う人も多くなってきています。
カラオケを習おうとするには近所にカラオケ教室があるかということが気になってきます。 しかし、新聞広告や雑誌などを見るとカラオケ大会がどうのこうのと習うというよりは上手に歌える人の世界が多く宣伝されています。 これではかえって気が引けてしまいますね。
まず、カラオケの以前の問題に「音痴」という言葉があります。 まず気になるのがこれです。 音痴には2つの音痴があります。 ひとつは「音程の音痴」で音階をドレミファとやっても変わらないかあるいは勝手に音程を作ってしまっている場合です。 もうひとつは「リズムの音痴」で、これは拍子をとるのにギクシャクしてしまってリズムがとれない音痴でカラオケなどでは伴奏を無視して勝手に早かったり遅かったりしてしまう場合です。 この2つの音痴がネックになって「カラオケをやりたいのだけど音痴だから・・・」というように気が進まないのがよくあるパターンです。
「音痴」は直ります。 これは最初に言っておきましょう。 安心してください。
音痴の原因は、伴奏の音がまるで聞こえていないのが主な原因です。 スナックやカラオケボックスで歌う場合にマイクの自分の声が大きくて伴奏が聞こえにくい場合はこんな音痴になってしまいます。 これはプロでもなります。
これを打破するには、まずマイクの使い方を直すことで伴奏が良く聞こえるようにします。 自分の声が伴奏の後ろから聞こえるようなマイクにするわけです。 それにエコーが強い場合はなおさら伴奏が声で聞こえにくくなってしまいます。
もうひとつの方法は、カラオケの伴奏の音を聞くことです。 歌いたい曲のテープを買えば必ず歌が無いカラオケが入っているものが多くあります。 こうして伴奏をよく聞いて鼻歌でもいいのでそれに沿ってうなるのです。 ここでは歌詞などは関係ありません。
カラオケの効能
カラオケを習ったり歌ったりするとどんな効果があるかについてのお話もしておきましょう。
まず、高齢者社会になればなるほど年齢による運動不足や、やれ血糖値がいくつだとか血圧がどうだなど体に無理のきかない状態が襲ってきます。
健康食品だとか健康器具など頼れるものは頼って、さらに体を動かさないととスポーツをやったり無理を承知でやっては長続きしなかったりでしょう。
こんな人にも健康と向かい合ってできるモノとしてカラオケは意外な効能を持っていることには気が付かない場合が多いのです。
でも、ただ単に歌っているだけでは健康的とは言えないのです。
まず、はじめに「ブレス」と言って歌を歌うには息を吸うことから始まります。 歌のどこで吸って歌うのかを意識的に歌の中でやることが体内の酸素の摂取を多くして歌うことで燃焼させるのが大切な健康への一歩になるのです。
無意識に息を吸って生活しているのですが、これを歌うことで意識的に息を吸うことが意味があるのです。 よく歌うには「腹で歌う」と言われることがありますね。 この腹式呼吸というのは胸だけでの胸式呼吸とは違い全身の筋肉を使っての呼吸になりますので酸素の補給と共に燃焼効果をも期待できます。 さらに燃焼することで血液の流れが良くなるので体が火照るような結果にもなります。 ここまで意識して歌うということは簡単に歌うのではできないと思われますが、実は簡単なのです。 歌を歌わされていたことから、今度は自分から歌うようにすればいいだけの話なんです。
歌は喉の声帯を振動させて声になって歌になることはよく知られています。 さて、この喉の声帯の声はよく響かせるためには肺やお腹が楽器の胴体のような働きをさせることが大切になるのです。 これには体全体を使って歌うという表現を加えることになるのですが、さてどうやって体を使うかについてが問題です。
まず、十八番と呼ばれる自分にとって好きな曲をひとつ用意しておきます。 歌詞は見ればわかるので覚える必要はありません。 好きな曲であればメロディーはとにかく聞き覚えがあると思います。 これを遠慮せずに大きな声で大きな動作で歌うというのが大切です。 最初は自信がなければできないのですが、何度も歌っていると自己流でいいのですが声が出るようになってきます。 ただ、他人の前ではなかなかできないし自宅でやったら近所から白い目で見られる心配もありますので、これはカラオケボックスでひとりで秘密でやるといいでしょう。 この場合は何曲も歌うのではなく1曲を何度も何度も歌って声を出せばいいのです。 多少の歌の間違いなんかこの場合は心配ありません。 とりあえず声を出すのが先決なのです。 あとで言うボイストレーニングのひとつの方法として知っている曲を材料に声を出すのです。
ここでは音痴も関係なく声を体で出すことをやればいいわけです。
ボイストレーニング
ここでは難しい問題ではなく前にも触れたように声をいかに出すかの方法について考えていきたいと思います。
まず、声には大きく分けて二つの出し方があります。 ひとつは持続した声、もうひとつは断続的な声です。
持続した声とは声を出してできるだけ一息に出る声をいかに長く出すかということです。 これには息を大きく吸ってからその息が早く無くならないように静かに声を出して長い時間出るように訓練します。 このコツとしては息を大きく吸うとその吸った勢いで声をすぐに出すと息がすぐに無くなってしまいますので、吸ってから間をちょっとあけてからおもむろに静かに声を出し始めます。 吸った直後の我慢が大切な部分ですね。
もうひとつの断続的な声というのはスターカットという歌い方になるのですが「ハッ、ハッ、ハッ・・・」と瞬発力を使う声を出すのです。 この時にいちいち息を吸ってその勢いで声を瞬間に強く出すのです。
前の持続した声とはまったく違った方法ですが、実はこれを交互にすることで自然に腹式呼吸ができるようになるのです。 もちろんリズムや音程は好きな調子で好きな音程でいいのです。
できるようになってきたら、次にはピアノの音階でこれを低い音から高い音までやればいいのですが、実はこれには個人差があってそれぞれできる音階と不得意な音階があります。 でも、この基本的なボイストレーニングはこの不得意な音階を少しずつですができるようにしてしまう効果があります。
低い音程の限界は弱い声になるのが普通ですが、次第にこの声が太くなってきます。 また、高い音程の限界は限界が次第に高くできるようになってきます。 一般的に3度から5度は高く出るようになってきます。
●カラオケを習う●
カラオケ教室を探そう
カラオケをやろうとするには誰かいい先生に習うことが必要になってきます。 これは独りで勉強してもできるわけではないのがカラオケなのです。
「習い事」でよくあるのが「舞踊、ダンス、お茶、お琴、詩吟・・・」といろいろありますが、いずれも「流儀」だとか「流派」とかがあって「家元」みたいな構造の教室があります。 でも、カラオケについてはこの「流儀」や「家元」などはありません。 流行の歌を歌うわけですから「流儀」は無くて当然なのです。 しかも、歌を歌うのは個性的であることが要求されていますので流儀はあっても「独眼流」なのかもしれません。
もし、流儀などがあるとすれば「歌マネ大会」みたいに誰が歌ってもみんな同じ声で同じ歌い方を強制されてしまうのが明らかです。 しかし、歌を歌うのはみんなであって師匠が歌うわけではありませんし、歌の世界は独自な声質の持ち主ほど歓迎されるので大きな違いがここになるのです。
もうひとつ、カラオケには「公認」という公に認められるような資格などはまったく関係がありません。 そこで教室も公認教室などはありません。
これはカラオケを教える先生の腕、教室に集まる生徒たちの集団などがこれらの教室の特徴になってきています。 習う人にとっては選択が自由なだけにどう探してどう選んでいいかが一番不安なのではないでしょうか?
歌を歌うのに習いたいのだが習うのにこんなに大変だとは思わなかったと思わないうちにまずは教室の正しい自分にあった場所を見つけることをしなくてはなりません。
まず、教室の評判を聞くことが大切です。 誰かが習っている友人がいれば聞くのがいいでしょう。 また、地域ではカラオケ大会など行われることがあります。 この大会へ行って様子を見てくるのもひとつの方法です。
教室では大きく分けて、集団で一緒に習う方法と個別に習う方法のふたつの方法があります。 歌う曲については自分が選ぶ場合や、先生が選ぶ場合もあります。 いずれにしても集団でみんなで仲良くやっていくことでお互いに伸ばすようになっていく方法であるか、または先生がその個性を良く見て直したりできるかなどが見極める方法なのですが、実はこれらは入ってみなければわからない場合もあります。
もし、人に気兼ねしたくなければ個人レッスンです。 ひとりでは長続きできそうもなく近所の人と一緒がよければ団体レッスンが適しているのではないでしょうか。
いずれも学校ではないのでできてもできなくてもいいのです。 試験に相当するのがカラオケ大会や発表会です。 自分がどれだけになったかを計る目安にはなります。
人前で歌おう
このテーマは実は歌うことは自己満足をいかに効果的に味わうかにあることを意味しています。
カラオケをやるきっかけは人の前で歌うことができるかどうかになってきています。
もちろん、人前で歌うことは上手下手の評価をされるのですが、歌の上手下手というのもひとつですが、人の前で歌う勇気が見直される人格になる場合もけっこうあるのです。
これは人の前での緊張、そして勇気など試されるわけなのですが、この人前で人の目を気にせずに満足できる歌を歌うという目標がここにできてくるのです。
先程では歌は健康にいい話をしましたが、この人前で歌うということは精神的にも人の前での自分の表現をいかに表すかが自己満足、ストレス発散、協調という社会的な人間の付き合いを助長していく方法の手段としてカラオケが評価されるのもうなずけますね。
カラオケのあるスナックや健康センター、ホテルなどの宴会場などカラオケの設備が整ってきていてカラオケをやるのが当たり前になってきています。 これらの設備を利用して知らない人の前で歌うのは度胸がすごくいるかと思えばいるわけなのですが、実は歌を歌うことがその度胸をつけさせてくれるわけです。
歌を歌うことで人前が怖くなくなります。 それは一生懸命に歌えば歌うほど見ている人の目が気が付かなくなるのです。
しかし、ここでステージで歌っている人の姿を見て気が付くことは、テレビの画面ばっかり見ていて、そのテレビの画面の影で歌っている姿を見つけることができます。 これでは人前で歌っているのではありません。 せめてテレビの画面が邪魔に思えるぐらいになって歌詞のカンニング程度でお客の顔を見て歌う余裕になればしめたものです。
いつも歌っている曲を歌うときはなおさらお客の顔を見て反応を楽しみましょう。
カラオケのテレビはどう見よう
前からの話ではテレビの歌詞の文字の色を追いかける話やテレビばっかり見ている話になってきていますが、この文明の利器のテレビをどう使うかが歌を自分の歌にするかの境目になってきます。 これは、歌を上手に自分のモノにするのには歌を表現することが大切になってくるのです。 表現する上ではテレビなど見ていては表現できっこありません。
歌詞は覚えなくてもいいのですが、テレビに一行変わるごとにチラッと見ればいいのです。 紙に書いてある歌詞を見るのと同じ要領ですね。
こうなると実は伴奏を良く聞いて歌を歌うということになるわけで、伴奏の雰囲気を十分に利用することになるのです。 これはイントロが始まってから歌っていない間奏やエンディングをどう表現するかも含んだ歌になると考えてもいいでしょう。
つまり、イントロが始まったら歌ってはいませんがここで歌に入っているのです。 呼吸もイントロのリズムに合わせてマイクに声が入らない程度にイントロを口ずさむといいでしょう。 もちろん目線をどこでスタートさせるかが歌う前に決めるポーズなのです。
さて、間奏はどうするかが問題です。 間奏は歌ってはいませんがリズムで体を動かしたり次の準備で目線を決めて歌い出しに備えます。
そして、エンディングですが、これで終わって帰るというのは違います。 エンディングは次の曲や人の準備に使われます。 そしてその歌の終わりですからきれいに終わって引き下がるようにしたいものです。
歌は歌う前から始まり、歌い終わって場を離れるところまでが歌なのです。
ここまで言うと、ステージのテレビを見るのは「歌詞のカンニング」に利用する程度ということがおわかりいただけたのでしょう。
カラオケの歌唱テクニック
カラオケにはボイストレーニングで自分の声質を使えて腹式での呼吸ができるようになると技術的には歌唱テクニックを習得するのが次の順序です。
演歌、歌謡曲には必ず「語り」の部分と「歌い」の部分があります。 これは歌詞を分析することや曲の進行などからもおおまかに理解されやすい分け方です。
「語り」の部分の歌唱方法と「歌い」の部分ではテクニックでも違うのです。
語りは基本的には状況の表現であって冷静に淡々と伝える必要がでてきます。 これには言葉をしっかりと口を大きくあけて静かな声で歌うのです。 この大きな口で小さな声で歌うというのは矛盾しそうですが、実はとても淡々とした表現なのですね。
ここの部分は歌ではないので余計な小細工は他にはいりません。
曲のリズムを正確に歌詞を乗っけていくわけです。
時には「泣き」の表現を併用する場合もあります。 この「泣き」とは声と息の出る音が混じった状態の声で「息声」とも言われます。 この要領としてはコツをつかめば意外と簡単にできてしまいます。
この要領は「ちょっと遠くの人に内緒話をする声」でやるわけです。 これが息の音と声が半分ずつ出る状態なのです。
けっこうと小さな声の部分なのですが大声を出すのと同様に力を込めて小さく我慢して出すのがコツみたいなものです。
さらに、この声を出すには息を吸ってからすぐに声を出すのではなくちょっとした「溜め」を持ってから「おもむろ声を出す」雰囲気が大切さを表現できます。
次に「歌い」の部分です。 これは「語り」よりもずっと歌になる部分ですので意外と簡単です。 ただ、「歌い」には歌の出足を遅く出したり、伸ばす部分を予定より伸ばしたりするなどの感情を表すテクニックが要求されます。
この微妙な遅れを作ることで「ためらい」とか「やるせなさ」の感情もつくれます。
一般的に「歌い」の部分では息を吸うタイミングで声を出すわけです。 でも、ひとつ間違えやすいのは前の行の言葉を伸ばし過ぎてしまうと次の息を吸うタイミングを逃してしまいますので前の声の切りを良くしなければなりません。
次に、テクニックと言われるものとしては「バイブレーション」、「ビブラート」、「コブシ」、「ゆらぎ」などが上げられます。 プロならばもっといろいろなテクニックを使いこなすわけですが、素人さんではこの程度ができたらとっても大したものです。
よく間違えやすいのは「バイブレーション」と「ビブラート」です。 これは声を揺する方法にふたつあることを意味しています。
声の強さを震わせるのが「バイブレーション」です。 ただ、これは曲によって伸ばす部分で使うのは悲しさを表現する部分です。
一方、声の音程を上下に震わすのが「ビブラート」です。 曲の最後の伸ばす部分で使うのが主な場所です。
いずれにしても、このふたつはどこでも使える人が多いのですが、あまり多用すると歌が臭くなってしまいます。
次に演歌独特な「コブシ」ですが、これはできる人とできない人がいます。 ただ、できなくても「コブシ」に聞こえるやり方があります。 声を一瞬上ずらせて回すのがコブシですが、できない人は細かな体の揺すりをするといいでしょう。 このコブシの効果は歌の節目で次の声を出す誘い水みたいな役目を果たしています。 もし、できるようになると歌がとっても楽に歌えるようになります。 しかし、プロ歌手でもこのコブシを多用すると「臭い歌い方」と言われてしまいます。 つまり、それだけ歌が楽に進行するタイミングを作ってくれるのです。
さて、歌を聞いていると「美空ひばり」は七色の声の持ち主と言われることを聞きますね。 この美空ひばりの得意な歌唱テクニックとして「ゆらぎ」があります。
この「ゆらぎ」は音程を微妙にはずして表現するのです。 歌が下手ではずしているのとはちょっとワケが違います。
例えば、ちょっと音程を高めにずらすと明るい表現になり上ずっているかのようになります。 また、ちょっと低めにずらすと暗い表現になります。 さらにふわふわと上下に音程を揺らすと「ビブラート」とは似ていますがこれよりもずっと遅い波になるので表現がついてきます。
楽譜通りに歌えと言われますが、この微妙な楽譜からずらすのはまずは楽譜通りに正確に歌えた上にやることをしてください。 そうでないとズレがわからなくなります。
歌詞カードは手書きで
歌を勉強しようとするとまず歌詞を丁寧に大きな文字で縦書きに自分で書くことをしましょう。 歌手に教えるときは必ずこれをやります。 なぜならば、歌詞の言葉の意味をまずは理解することから歌が始まるからです。
それに歌詞を書くことで言葉の流れを知ることができます。 なにもわからない内に書くことに意味がありますので、とりあえず何もわからなくても何回か書いてみてください。
次に歌を習っているとわかりますが、漢字で書いた歌詞は意味がよくわかりますが歌うとなると言葉の使い方までは表現できないことに気が付くでしょう。
「ひらがな」で書いたものも用意してみましょう。
この「ひらがな」の歌詞は歌ではとっても歌唱テクニックを書ける道具になるのです。
つまり、言葉の長さの表現や言葉を繋ぎ合わせて表現する場合などや前述のテクニックを使う部分を表記するのにも便利です。
例えば次の例を見てください。
「おれをかなしく 呼びとめる」とある歌詞の一節を例に上げてみます。
「おおれををかなしいーく よびとおめえるうーーー」
こんな具合で表記すると伸ばし方や言葉をもう一度言い直すなどの微妙な表現も記述できるのです。
歌を歌うというのは基本的には言葉に節をつけるということがおわかりいただけるのではないでしょうか。 こうして歌詞を書くというのは違った意味での役割をも果たすのです。 カラオケを習いながら自分で確かめながら歌詞に自分だけがわかるような記号をつけて書き足せばいいのです。 決して音符が読める必要はありません。 また、誰もがわかるような記号も特に決まっているわけではありませんが、「しゃくり」、「ブレス」、「コブシ」などがよく決められている場合があります。
そのために歌詞には余白を多くとっておいてこれらの記号やひらがな表記の追記もできるようにしておくといいでしょう。
ついでながら、プロの歌手などでは「ひらがな」ではなく「ローマ字」で子音と母音にさらに分けて記述した日本語の発音についての言葉の回し方にまで至る記述も使う場合があります。
●カラオケの実践●
カラオケ大会に挑む
カラオケ教室などではよくカラオケ大会やカラオケ発表会などを催しています。 これらはカラオケを習っているだけではなく実力がついてそれを発揮する目標にと考えて行われています。 やはりカラオケをやれば人の前できちんと歌えるというのが評価に値するわけです。
ただ、カラオケ大会などでの審査についてはいろいろな見方によって評価の方針が微妙に違っていますのでそれらのコツもあることになります。
大会での審査員の職業によって決まるのはプロのレコード会社のディレクターや作詞、作曲家が審査している場合、歌マネをしている人よりもその人の声の特徴を生かしている歌い方をしている場合が得点になりやすいようです。 これはプロは同じマネをする人は必要ないわけですし、場合によっては大会で優秀な歌手を掘り起こすのかもしれません。
楽譜を準備している場合については、曲を知らない審査員もいる場合があります。 大会で歌う曲数は膨大な数がありますので審査員もすべてを知るわけでもありません。 こんな場合では楽譜に忠実に歌うのが基本になります。
素人の役職の人やプロの歌手が審査する場合は独自な歌い方よりも歌マネで歌のイメージと歌っている歌手のイメージが重複するのが得策です。 オリジナルな歌い方は理解しにくいためですし、歌手の審査は自分が歌手であるから独創性を出されると困る面もあるからです。
こうして大会では審査員の職業や方式によって作戦が全く違う場合がありますので、一概に歌が上手であっても賞には至らない場合もあるので落ちてもがっかりする必要はありません。 また、主催者が営利団体などでは大会への貢献度なども評価になる場合もあると聞きます。 しかし、営利団体の場合は歌が上手である評価は意外と素直であると言えるでしょう。
さて、段取りはできて実際に大会や発表会で歌うとなると事前に声がちゃんと出るような体勢を整えておく必要があります。 まず、歌う時刻ですがだいたいは昼間です。 ですので体調を昼間に最高になるように練習も昼間にするのがベストです。
歌詞は覚えておかなければなりません。 これは歌に対する姿勢みたいな評価になりますので歌詞を持って歌うことは「ついで」としか受け取られません。 それに歌詞を覚えるということで歌唱の進行を把握していることにもなります。 3番まである曲を1番2番にするか1番3番にするかは自由です。 これは時間の関係で2コーラスに制限されている場合が多いからです。 場所によっては1コーラスで勝負しなければならないところもあります。 でも、いずれにしても2コーラスでも失敗をしてはいけないのは絶対条件です。
選曲の仕方にもいろいろあります。 大会などで競う場合には他の人と重複するような人気のある曲は比較されてかえって損になる場合があります。 自分の声や技量に間に合うような曲を選ぶことがまずは大切です。 よく選曲で失敗するのが男女の違いです。 男の歌を女性が歌う場合にはかなりの実力が必要になるからです。 これを特徴とするような場合を除いて避けるようにしましょう。
テープについてはできるだけオリジナルでキーを変更しないものがベストです。 キーについては歌手の声に合わせて作っている「オリジナルキー」というのがありますが、一般の人が歌いやすくしている「一般キー」であるほうがいいでしょう。 それに無理をしてキーを変更していたりすると伴奏の音が歪みます。 また、無理をしてキーをそのまま使って声が限界を超えるのはみっともありません。 しかし、逆に楽なキーにすることで少し無理な声を必要とする部分を楽にしてしまうのは楽曲の意味を壊してしまう場合もありますのでこの無理さ加減は大切です。
スナックや健康センター、宴会場で
こういう社交の場所で歌う機会がある場合には、あくまでも「社交」を前面に出して人の歌を聞くことが大切です。 それに「拍手」は自発的にやりましょう。 ただし、人に拍手を強要することは「社交」を強制することになりますので気をつけましょう。
また、お酒の席になる場合もありますので他人との共用での宴会にもなりますのでマナーを守って気持の良い社交場であることを守りましょう。
しかし、気をつかう場合ばかりではなく、大会や発表会などの目標で頑張っている人もあるいはこうした場を大切にしたい人も目的が様々な人の集団ですので、こうした宴会場で自分の実力が出るように心がけるためにも人を恐れないで歌を聞いて貰えるような姿勢をとりましょう。
このためには歌を一人で歌うのではなく、お客がいて聞いているわけですから「自己満足」や「自己主張」という己のための歌ではないことを前面に出しましょう。 それには歌詞を見てばっかりいるのではなく聞いているお客の顔をできるだけ見るようにしたり舞台から非常口のランプを見つめたりというような「演技」も大切になります。
ここでの演技はプロのマネではなく歌を歌うための雰囲気を作ってその雰囲気が自分に戻ってきた時に歌がさらに良くなることを期待するからです。
このためには直立不動で歌うよりもリズムに乗って体を動かして歌うことで声の調子のバランスを良くしたり歌唱テクニックへの手助けになる意味で体を使って歌うことになるのです。 ついでに「見せる」という歌い方も自動的にできあがるわけです。
社交性と健康への応用
カラオケをやっていくると地域やサークルなどの環境での社交性の向上がまずは最初にあげられます。 このカラオケをやることがいままで歌わなかった人が堂々と歌って周囲をきっとびっくりさせることでしょう。
結果から言うと歌を歌うことは歴史的に見ても社交の道具になっています。
地球上の動物で唄を歌えるには唯一の人間で、その社会的な行動は歌を通じて宗教的にも政治的にもいろいろな場面で使われてきています。 特に原住民など古代からの歴史を持っている人たちも催事では必ず歌になります。 音楽自体も太鼓を叩いたり笛を吹いたりしながら声もその音楽の道具になっているのがおわかりいただけるのではないでしょうか?
歌には一人で歌う場合、集団の中で歌を聞いてもらう人たちと歌う人の関係、合唱のようにみんなでひとつの歌を歌う場合など様々な歌との接触があることも理解できるでしょう。 このように歌と人、そして国境を越えて人種を超えての歌のありかたも歴史的にも人と歌の密接な関係がずっと昔からあったのです。
そこで、歌の上手下手を言われることはまずはありません。 歌うこと自体の協調性が重要視されていたのです。 カラオケ大会などではこの上手下手で人を評価してしまいますが、この上手下手は歌を習った上での結果の状態を評価しようとしたものに過ぎません。
また、前述の健康との係わり合いは歌を歌うこと、そして聞くことで精神的にも、また肉体的にもとても深い係わり合いをもっているのがわかると思います。 特に、歌を歌うことで肉体的に普段から使わない体を起こす役割を果たしています。 また、聞くことで精神的に歌の世界へと吸い込まれるように安定化が期待できます。
このように歌という世界を身近に感じて、そしてその歌を歌う立場でも十分に効果を出せるように考えることは無理のない歌への参加をすることがたやすく実行できるひとつになると思います。
歌う環境を見る
カラオケを歌うにはカラオケの機械があって、それには音が出るスピーカ、伴奏を出すアンプ、そして歌う人が手に持つマイクで構成されています。 補助的にはテレビ画面があってそこに歌詞が表示されます。
これらのそれぞれには大切な歌を歌うための要素を持っています。
まず、スピーカですが人に聞いてもらうためにはお客の方向を向いているスピーカと歌う人に伴奏や自分の声を聞こえるように置いてある「返しのスピーカ」があります。 歌う立ち位置などはこの「返しのスピーカ」から伴奏と自分の声がよく聞こえる位置が選ばれています。 もし、歌う場合にはこの「返しのスピーカ」がどこになるかをちゃんと理解しておきましょう。
アンプには選曲する装置と伴奏の音とマイクからの声の音をミキシングをします。 この声の大きさと伴奏の大きさのバランスがここで決まります。 声の大きさによってやマイクの感度、マイクと口との距離などで声の大きさは変化します。 マイクの感度が高い場合はハウリングと言って「キーン」とかすごい音がします。 このハウリングが起きない程度にできるだけ感度が高くマイクのツマミを上げてあると良いでしょう。 そして伴奏の音の大きさは伴奏がちゃんと聞こえることが大切です。 そしてこのバランスですが伴奏の音の1.2倍から1.5倍程度の声の音の大きさになると良いでしょう。 ただ、場所によってはこのツマミは勝手に操作してはいけませんので注意しましょう。 もし、自分で操作したら歌い終わったら忘れずに元に戻しておきましょう。
マイクからの声をエコーをつけることはとっても歌う人にも聞く人にも気持のいいものになります。 しかし、エコーをかけすぎると伴奏が聞こえにくくなったりしてリズムがとれなくなってしまいます。 また、逆にエコーがまったくないと聞いている人には苦痛を与えかねません。 このエコーは適量を使うのがベストです。
アンプのツマミで「マイク」、「ミュージック」、「エコー」が大切な要素を決めるものですが場所の環境などによっては一概には決まってはいません。 そこで勝手に操作するのはやめましょう。
マイクは歌を歌うのにとても重要な道具なのです。 これの使い方によっては歌の上手下手までが左右されることになってしまうほどです。 マイクの向きは口の方向に向けてください。 向きを微妙に調整することで声の音質を変化させることもできます。 ただ、マイクを返しのスピーカなどの方向には向けないようにしてください。 それにこのマイクは声による空気の振動を受けるものですからとってもデリケートなものですのでマイクを落としたり置く時には丁寧に振動を与えないようにしましょう。 強い衝撃を与えるとマイクの音質や指向性というマイクの向きによる感度などが大きく変化します。 プロ歌手などは自分の声の調子を扱うのと同じにマイクをとても大切にします。 マイクによっては歌がちゃんとできるかできないかの境目にもなってしまうからです。
マイクは右手か左手の片方で持つ場合がほとんどです。 そしてマイクの首の下3cmぐらいの部分を持つようにしましょう。 もし、マイクの丸い部分に手がかかるとハウリングしやすくなったり音質が大きく変化してしまいます。
マイクと口との距離は返しのスピーカから聞こえる自分の声の大きさと伴奏のバランスがいい状態になるようにするのがいいでしょう。
小さな声でささやくような歌い方ではマイクを口に近づけます。 また、大きな声で張り上げるような歌い方では遠くにします。 よくプロの歌手などで見られるマイクの使い方です。 場合によってはマイクを小道具として右手と左手で持ち替えたり、また両手でやさしく持つという場面をも作れます。
自分で自分の歌を聞く
録音できるのであれば、自分が歌った歌を録音するといいでしょう。
自分の声を聞くというのはものすごい違和感があってとても聞いていられないのが普通です。 しかし、人はこの声を聞いているのです。 自分の声をいつも聞いているのは頭蓋骨を伝わって喉から耳へ直接伝わった声ですので、口から外に出た声は普段は聞いていないのでテープなどに録音された自分の声はまるで違うと思ってもいいのです。
録音は声を楽しむのではなく歌を歌うテクニックが思っているほどできたかできないかを判定するために必要です。 意外と頭で考えているテクニックは実際にはそんなにできていないかもしれません。
カラオケをまずは聞く
テープで聞くというのは自分の声を聞くのは勿論必要ですが、最初は歌手の歌唱を聞きます。 しかし、ここで歌手のマネをするのではなく、歌い方をつかむだけです。 どこでどう歌い方をしているかを聞くのです。 それから、カラオケだけを聞いて歌詞を言わないでメロディーだけを口ずさみます。 これはどこでどういう節回しなのかを体に覚えさせます。 ここで、体に覚えてもらうというのは、実際に歌うときに頭で考えていては歌う時にはすべて通り過ぎてから気が付くからなのです。 これでは手遅れです。 メロディーの流れは体に自然に覚えてもらうためにカラオケをよく聞くのです。 体がメロディーを覚えてから歌詞と発音や言葉のタイミングを合わせていくわけです。
●カラオケのまとめ●
カラオケをまずしなければいけないと感じたこと自体、すでにカラオケをもうやっているのです。 歌を知らないというのは当たり前であって、これから少しずつでも知っていけばいいのです。 それに新曲ばかりに気をとられないで古い曲でも心の思い出になるような曲もたくさんあります。 誰がどんな歌を歌えばいいかなどは誰にもわかりません。 それはいくつか歌を歌っていく過程で決まっていく場合が多いので最初から心配することはありません。
いい先生を選ぶことも大切な要素です。 先生は多くの生徒に公平に教えることが仕事なのですが、やはり丁寧に自分が理解できるように教えてもらうことがいい先生と言えるでしょう。 カラオケ教室をいくつも渡り歩いてみるのは決して悪いことではありません。 自分で自分に合う教室を探すのです。 それにはわからなければ取りあえずは人の評判なども気にしてみましょう。 そしてレベルに合った教室へと選ぶわけです。 それには周囲に習っている人のレベルと自分を比較してみましょう。
一般にカラオケは個人的な歌のやり方という技術的な面での勉強をして習得するわけですが、コツなどは教えてくれません。 それは人によってコツの考え方や得意不得意があるから共通した内容にならないからです。 このように個人の基本的なプライベートな性格を持っているので「誰にも習っていることを知られたくない」という気持はあるものです。 でも、知らない集団であればこれが知らん顔してできますのでやりやすいかもしれません。 特に恥をかきたくなければ個人レッスンがいいでしょう。 個人レッスンは下手であってもかまいません。 決して上級の人が習うものと決まっているわけではありません。 それに10分や15分で自分がそこで身につくとは思えません。 少なくとも身につくようにするためには30分から1時間程度のレッスンが必要です。 こうすれば教室だけでレッスンして宿題を持ち帰らなくてもいいからです。 短い時間でのレッスンはその場で指摘を受けてそれを持ち帰って直してから次の機会に評価してもらい、次の指摘を受けてやるからです。 ただ、2時間も3時間もやる必要はありません。 声の出る限界もありますし短期で長続きできるわけでもありません。 1曲をマスターするまでは個人差もありますがだいたいは週に1度のレッスンで半年から1年はかかります。 その間は1曲を徹底的にレッスンすればいいので曲数を多くしようと考えるのはすべて中途半端にしかなりません。 しかし、1曲を完全にマスターすることで他の曲の歌い方も共通点を見つけて自然にいい歌い方ができるようになりますので、とりあえずは「たたき台」として1曲をとことん練習することがいいでしょう。
編集後記
この講義は一般的なカラオケの導入を受け入れやすくするためのもので実際のカラオケを勉強するのには先生との相談を重要視しています。 わからなければ先生にまずは尋ねて相談をしてください。
このような講義でカラオケを上手になるのには本を読んで技術を習得することよりも教室などで体験することで習得していくことが大切です。 ここではその習得をするために誤解をしないで効率的に習得するための心構えをつかんでもらいために作成しています。